睡眠時無呼吸症候群SASスプリント治療

睡眠時無呼吸症候群SASスプリント(マウスピース)治療

多摩市SASナビ

スプリント(マウスピース)治療の費用は? 保険適応はされるの?

睡眠時無呼吸症候群SASに対する治療法は、CPAP治療やスプリント(マウスピース)治療、手術など個人の症状や重症度によって異なります。
今回は睡眠時無呼吸症候群の治療法のひとつである、<スプリント治療>のメカニズム、メリット、デメリット、費用、保険適応などについてご紹介します。

スリープスプリント(マウスピース)

睡眠時無呼吸症候群にスプリントは効くの?

睡眠時無呼吸症候群SASに対する治療法として、自分の口にあったスリープスプリント(マウスピース)を作成し、下あごを前の方へ5~10mm程度出す方法があります。下あごを前方へ移動させると、狭くなっている気道を広げることができるため、スリープスプリント治療は睡眠時無呼吸症候群に効果があるといわれています。
特にあごが小さく、肥満がない睡眠時無呼吸症候群の方、軽度から中等症の睡眠時無呼吸症候群の方に効果を期待できる治療法です。
スリープスプリントは、呼吸器内科や耳鼻科と提携している睡眠時無呼吸症候群の診療を専門とする歯科医に依頼して作成します。ただし、重度の睡眠時無呼吸症候群の方には効果が見られないこともあるので、医師とよく相談してから治療を行います。

睡眠時無呼吸症候群SASのPSG検査

知っておきたいスリープスプリント治療のメリット・デメリット

比較的手軽にできそうな印象があるスプリント治療にも、メリットとデメリットがあります。

まずメリットとしては、口にはめるだけの治療で簡単にできること、簡単に作れて長く使用できるので医療費も安くすむこと、小型なので旅行や出張、外出先などへ気楽に持ち運びができること、などが挙げられます。

一方でデメリットは、重症の睡眠時無呼吸症候群の方には効果が見られないことが多い、歯が少ない人には適用とならない、鼻づまりや扁桃腺の肥大がある場合には適用とならないことがある、などです。また、下のあごをスプリントによって前方へ移動させる程度が不十分の場合には、症状の軽減効果が得られないことがあるので作成時には注意が必要です。

スリープスプリントによるいびきとSASの治療

スリープスプリント治療の費用と効果、保険適用の基準とは

自分の口に合ったスプリントが作成でき、下のあごを前方に動かすことが可能になれば睡眠時の無呼吸だけでなく、睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の眠気や頭痛、倦怠感などの改善が期待できます。また、睡眠中の低酸素やいびきも改善される可能性が高いです。

スプリントの作成には、保険が適用されて3割負担となれば約15000円です。スプリント治療は、内科や耳鼻科からのスリープスプリント作成依頼書があれば保険適用になります。保険が適用されない場合には自費となり、約3~5万円の費用が必要です。

スリープスプリント(マウスピース)

医師がスプリント治療の適用かどうか判断する

スプリント治療は持続陽圧呼吸療法 (CPAP)に比べて、作成したスプリントを歯につけて寝るだけなので比較的簡単に行うことができます。
しかし、スプリント治療が適用になるかどうかは睡眠時無呼吸症候群の重症度や歯の状態にもよるので、医師の判断になります。

まず内科医や耳鼻科医が、睡眠時無呼吸症候群の重症度を判定します。そして、スプリント治療の適用があると判断した場合に、専門の歯科医に作成依頼書が渡されることによって作成できますが、歯科医の判断で難しいとされる可能性も。具体的には、実歯が上下で20本以下、歯周病や虫歯で歯がぐらついている、顎関節症がある、などです。
医師とよく相談し、自分に合った最も効果的な治療法をできることが理想です。

持続陽圧呼吸療法 (CPAP)

まとめ

睡眠時無呼吸症候群に対するスリープスプリンと治療についてまとめました。スプリント治療は睡眠時無呼吸症候群の重症度が比較的軽い方で、あごが小さく、肥満がない方に有効といわれています。睡眠時無呼吸症候群が疑われる時には、なるべく早く病院を受診し治療を開始しましょう。


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顎関節症TMDナビ|あごの痛みはパソコンが原因かも…

「顎関節症」に注意
顎関節症TMDナビ 多摩市永山 医科歯科ニュース

2012/2/9 日本経済新聞 プラスワン
一生のあいだに日本人の2人に1人が経験するともいわれる顎(がく)関節症。「あごが痛い」「口が大きく開けられない」といった症状に思い当たる人もいるかもしれない。以前は歯のかみ合わせが原因と考えられていたが、最近では生活習慣が発症の原因という考え方が主流になってきた。顎関節症になりやすい生活習慣を見直すことで、症状を緩和したり、予防したりできるという。

歯のかみ合わせや歯並びが顎関節症の原因と考えられていた頃は、歯を削ったり、マウスピースを使ったりして理想的なかみ合わせにする治療が一般的だった。しかし、こうした治療をしても、目立った効果が得られないことが多く、患者への負担も大きいことが分かってきた。このため顎関節症の要因になる癖を直す生活指導や、筋肉や関節のトレーニングによって症状を改善する治療法が採用されるようになってきた。

あごへの負担大きい パソコン操作

顎関節症とはいっても、痛みの出ている場所は顎関節そのものではなく、実際にはあごの回りの筋肉に痛みが生じている場合が多い。あご回りの筋肉に負担をかけるような生活習慣が顎関節症を引き起こしているからだ。ほおづえをついたり、寝転がって本を読んだりすることの多い人は、知らないうちにあご周りの筋肉に負担を与えているので要注意だ。

東京医科歯科大学の木野孔司准教授は「この十数年で顎関節症の新規患者数が増えたのは、パソコンが普及したことが原因の一つ」と見る。鉛筆やペンで文字を書いていた頃は、手が疲れるので数十分ごとに休憩していたが、パソコンでは数時間同じ姿勢でいてもあまり苦にならないからだ。特に下あごを前に突き出すような姿勢で画面を見る癖のある人は、あごへの負担が大きくなりやすい。定期的に休憩を取り、軽く体を動かすなどして、筋肉をほぐすようにするといい。

また、「上下の歯が接触する癖(TCH)はあごの筋肉に負担をかけ、顎関節症の要因になる」(木野准教授)という。リラックスした状態で唇を軽く閉じている時、上下の歯は接触せず、隙間が空いているのが通常の状態。唇を閉じた時にどこかの歯が触れている人は、TCHの可能性が高い。上下の歯が接触していると、あごの筋肉が常に緊張した状態になり、あごの回りの血流が悪くなって痛みが出やすくなるという。

TCHのある人は、職場のパソコンの画面や洗面所など、目に付きやすい場所に「歯を離してリラックス」などと書いた貼り紙をして、気づくたびに息を吐きながら力を抜くようにする。意識して上下の歯を離すようにするのは難しいので、「条件反射のように、貼り紙を目にしたらリラックスすることを習慣化するといいい」(木野准教授)。

日本歯科大学付属病院ではストレッチ運動やマッサージを勧めている。原節宏顎関節症診療センター長は「顎関節症の痛みはあご周辺の筋肉が肩こりのような状態になって起こることが多い。ストレッチやマッサージで血行を良くすると症状緩和につながる」と話す。

顎関節症に効果的なストレッチは左上図のように、片方の手を頭の上に添え、耳を肩につけるようなイメージで首の横側を伸ばす方法と、鼻を脇に近づけるようなイメージで頭を斜め前に倒す方法の2種類。下ろした方の手は床を触るつもりで下に伸ばし、30秒程度かけてしっかりとストレッチする。「左右交互に、3回ずつ、少なくとも朝夕の2回は続けるといい」(原センター長)という。

首の回りや、あご関節の周辺をマッサージして、筋肉をほぐすのも効果的だ。ただし、「甲状腺に病気のある人は、病気を進行させる可能性があるので、医師に相談したほうがいい」(原センター長)。

治療後に再発も

顎関節症は一度治療しても、生活習慣が変わらないと再発することが多い。今は症状がない人も、あごに負担をかける癖を続けていると、痛みなどの症状が出る可能性が高くなる。生活習慣の見直しやストレッチなどのトレーニングは自宅でもできることなので、思い当たることのある人は取り組んでみるといいだろう。

◇            ◇

音だけなら治療は不要

顎関節症の典型的な症状として、口を開け閉めする時に「カクン」という音や、「ザラザラ」というこすれるような音がすることがあるが、音だけならば治療の必要はない。顎関節で音が鳴るのは、膝の屈伸運動や首や肩を回した時に関節が鳴るようなもの。「耳のすぐ近くで鳴るので気になるだけで、あまり心配する必要はない」(木野准教授)という。

治療の必要が出てくるのは、口が大きく開けられなくなったり、口を開け閉めするときに痛みが出たりするようになってから。ただし、顎関節症の治療を専門に行う歯科医院は少なく、大学病院などでは予約待ちですぐには治療が受けられないこともある。東京医科歯科大学の顎関節治療部出身の歯科医らが運営する「次世代の顎関節症治療を考える会」のサイトでは、顎関節症に関する情報を掲載しているほか、メールでの問い合わせにも応じている。

(小国由美子)

[日経プラスワン2012年2月4日付]

顎関節症TMDナビ|耳痛?偏頭痛?顎関節症?

耳痛?偏頭痛?こめかみから耳の奥にかけての痛みは、顎関節症が原因かもしれません!判断のポイントと主な診療科

朝起きたら頭の片側が痛い、それって片頭痛?

世界的に、成人人口の46%が「頭痛持ち」であると言われていて、そのうち緊張型頭痛(緊張性頭痛)が42%、偏頭痛(片頭痛)が11%となっています。

もちろん、頭痛持ちでない(慢性の一次性頭痛がない)人でも、風邪やインフルエンザ、ヘルペスなどの感染症による頭痛や、頭を打ったときなどの頭部外傷による頭痛、睡眠不足による頭痛、飲み過ぎた翌朝の二日酔いの頭痛、女性の場合は生理周期に伴う頭痛など、なんらかの原因による二次性頭痛は経験したことがある方がほとんどでしょう。
上記のような思い当る原因もないのにある朝起きると頭が痛い、あるいは頭の痛みで目が覚めたというとき、痛みが頭の片側に集中している場合は大抵の人が「もしかして偏頭痛?」と思うのではないでしょうか。

しかし、偏頭痛を疑って内科や神経内科、頭痛外来を受診する方が、実際に片頭痛である割合は多くありません。

判断のポイントとして、典型的な片頭痛は前兆(視覚症状や幻臭、幻聴など)があり、吐き気をともなう場合も多く、ズキズキと脈打つような拍動性のある痛みで、動くとひどくなり、暗い場所で安静にしていると楽になり、アマージやマクサルトなどのトリプトファン製剤が有効です。

低血圧の女性に多く、遅くとも30歳までに発症し、家族(特に母親)に片頭痛持ちの方がいらっしゃるケースも多いです。
以下の記事もご参考ください。

片頭痛の疑いが強いと判断された場合、頭痛専門医のいる頭痛外来(診療科は神経内科、脳神経外科、精神科、ペインクリニックなどさまざまです)を探して行ってもよいですが、近所に風邪などの時に受診しているかかりつけ医がある方は、まず相談してみることをお勧めします。

頭の片側が痛いといっても、頭の中に手を突っ込んで指さすことはできないため、具体的にどこが痛みの中心なのか、自分でも捉えづらく医師にもうまく説明しづらいという時もあるでしょう。
こめかみや耳の奥、目の奥のあたりなどが痛いと感じる場合、顎関節に原因があるケースも多いようです。

耳痛の原因として、耳鼻咽喉科で対応できる疾患としては中耳炎や外耳炎、副鼻腔炎、外耳や内耳の感染症、耳垢や異物による外耳の閉塞、轟音や耳かき時の事故などによる鼓膜の破裂・穿孔などが考えられます。
上記のような原因に思い当る場合や、耳の痛みとともに耳だれや発熱がある場合は、耳鼻咽喉科へ行くべきでしょう。

特に痛みで目が覚めたという場合は、寝ている間に歯を食いしばり、噛みしめていることが引き金となっているかもしれません。
肩こりをともなう、寝る直前までパソコンのモニターに向かっている、家族やパートナーに歯ぎしりを指摘されるなど、思い当る方は顎関節症のセルフチェックをしてみましょう。

顎関節症のチェックリスト

口を大きく開けたとき、左右で開けにくい顎がある。
鏡を見て顎を大きくゆっくり開けてから閉じたとき、顎が左右に揺れている。
顎を開けたり閉じたりする時にカクッ、ピキッとしたような音がする。
鏡を見て大きく舌を出したとき、舌がまっすぐ出ていない。
顔を見て、左右の眼のラインと口角が平行でない。
するめやタコなど硬いものを食べたとき、あごが痛む。
耳の穴の中に指を入れて顎を開閉したとき、痛みを感じる。
こめかみを押すと痛みを感じる。
頬骨の下を押すと痛みを感じる。
朝起きた時に顎がスムーズに開かない。
あてはまる項目が多いほど、顎関節症の疑いが強いです。
ただし、既に痛みが出ている場合無理に口を大きく開いたり強く押し過ぎないでくださいね!

顎関節症の診療科

顎関節症は咀嚼筋のマッサージや姿勢の改善、両側でバランスよく噛む、頬杖をつかないなど、生活習慣の改善によって軽快する場合も多いですが、頭痛外来や耳鼻科へ行くことを検討するほどの痛みが出ている場合、「口腔外科(こうくうげか)」の受診をお勧めします。
口腔外科は一般外科の一分野でもありますが、口腔外科を専門としている医師は少なく、歯科医師が歯科医業として行っている「歯科口腔外科」が主流です。

歯学部のある大学の附属病院などでは補綴科(ほてつか)・矯正歯科・口腔外科などが連携して顎関節症の専門外来を開設しているところが多いですが、一般の歯科医院で探す場合は、診療科に歯科と併せて「矯正歯科」や「口腔外科」をあげているところがよいでしょう。

市販の痛み止めで対応する際のポイント

口腔外科のある歯科医院を見つけても、予約なしですぐに診てもらえるケースはなかなかないかもしれませんので、「今すぐどうにかしたい!」「痛くて仕事にならない!」という場合には、ひとまず市販の痛みどめで対応することになるでしょう。
その際にはロキソプロフェン(ロキソニンS)やイブプロフェン(イブA錠、リングルアイビー等)などのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が第一選択となります。
NSAIDsは消化器系に副作用が出やすいため、顎の痛みで食欲がないかもしれませんが、ゼリーや牛乳などでよいので、何か胃に入れてから飲むようにしてくださいね。

なお、胃に優しく副作用が少ない鎮痛剤としてはアセトアミノフェン(タイレノールAなど)が代表的ですが、アセトアミノフェンには明らかな抗炎症作用はないため、顎関節炎の痛みには第一選択とはなりません。
しかし、中枢神経系に作用しある程度の鎮痛効果は得られるはずなので、常備薬として既に持っている場合は、ひとまずアセトアミノフェンを使用してもよいでしょう。

また、15歳未満のお子さんが耳の痛みや頭の片側の痛みをうったえて顎関節症が疑われる場合には、NSAIDsではなくアセトアミノフェンを使用してください。

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