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耳痛?偏頭痛?こめかみから耳の奥にかけての痛みは、顎関節症が原因かもしれません!判断のポイントと主な診療科

朝起きたら頭の片側が痛い、それって片頭痛?

世界的に、成人人口の46%が「頭痛持ち」であると言われていて、そのうち緊張型頭痛(緊張性頭痛)が42%、偏頭痛(片頭痛)が11%となっています。

もちろん、頭痛持ちでない(慢性の一次性頭痛がない)人でも、風邪やインフルエンザ、ヘルペスなどの感染症による頭痛や、頭を打ったときなどの頭部外傷による頭痛、睡眠不足による頭痛、飲み過ぎた翌朝の二日酔いの頭痛、女性の場合は生理周期に伴う頭痛など、なんらかの原因による二次性頭痛は経験したことがある方がほとんどでしょう。
上記のような思い当る原因もないのにある朝起きると頭が痛い、あるいは頭の痛みで目が覚めたというとき、痛みが頭の片側に集中している場合は大抵の人が「もしかして偏頭痛?」と思うのではないでしょうか。

しかし、偏頭痛を疑って内科や神経内科、頭痛外来を受診する方が、実際に片頭痛である割合は多くありません。

判断のポイントとして、典型的な片頭痛は前兆(視覚症状や幻臭、幻聴など)があり、吐き気をともなう場合も多く、ズキズキと脈打つような拍動性のある痛みで、動くとひどくなり、暗い場所で安静にしていると楽になり、アマージやマクサルトなどのトリプトファン製剤が有効です。

低血圧の女性に多く、遅くとも30歳までに発症し、家族(特に母親)に片頭痛持ちの方がいらっしゃるケースも多いです。
以下の記事もご参考ください。

片頭痛の疑いが強いと判断された場合、頭痛専門医のいる頭痛外来(診療科は神経内科、脳神経外科、精神科、ペインクリニックなどさまざまです)を探して行ってもよいですが、近所に風邪などの時に受診しているかかりつけ医がある方は、まず相談してみることをお勧めします。

頭の片側が痛いといっても、頭の中に手を突っ込んで指さすことはできないため、具体的にどこが痛みの中心なのか、自分でも捉えづらく医師にもうまく説明しづらいという時もあるでしょう。
こめかみや耳の奥、目の奥のあたりなどが痛いと感じる場合、顎関節に原因があるケースも多いようです。

耳痛の原因として、耳鼻咽喉科で対応できる疾患としては中耳炎や外耳炎、副鼻腔炎、外耳や内耳の感染症、耳垢や異物による外耳の閉塞、轟音や耳かき時の事故などによる鼓膜の破裂・穿孔などが考えられます。
上記のような原因に思い当る場合や、耳の痛みとともに耳だれや発熱がある場合は、耳鼻咽喉科へ行くべきでしょう。

特に痛みで目が覚めたという場合は、寝ている間に歯を食いしばり、噛みしめていることが引き金となっているかもしれません。
肩こりをともなう、寝る直前までパソコンのモニターに向かっている、家族やパートナーに歯ぎしりを指摘されるなど、思い当る方は顎関節症のセルフチェックをしてみましょう。

顎関節症のチェックリスト

口を大きく開けたとき、左右で開けにくい顎がある。
鏡を見て顎を大きくゆっくり開けてから閉じたとき、顎が左右に揺れている。
顎を開けたり閉じたりする時にカクッ、ピキッとしたような音がする。
鏡を見て大きく舌を出したとき、舌がまっすぐ出ていない。
顔を見て、左右の眼のラインと口角が平行でない。
するめやタコなど硬いものを食べたとき、あごが痛む。
耳の穴の中に指を入れて顎を開閉したとき、痛みを感じる。
こめかみを押すと痛みを感じる。
頬骨の下を押すと痛みを感じる。
朝起きた時に顎がスムーズに開かない。
あてはまる項目が多いほど、顎関節症の疑いが強いです。
ただし、既に痛みが出ている場合無理に口を大きく開いたり強く押し過ぎないでくださいね!

顎関節症の診療科

顎関節症は咀嚼筋のマッサージや姿勢の改善、両側でバランスよく噛む、頬杖をつかないなど、生活習慣の改善によって軽快する場合も多いですが、頭痛外来や耳鼻科へ行くことを検討するほどの痛みが出ている場合、「口腔外科(こうくうげか)」の受診をお勧めします。
口腔外科は一般外科の一分野でもありますが、口腔外科を専門としている医師は少なく、歯科医師が歯科医業として行っている「歯科口腔外科」が主流です。

歯学部のある大学の附属病院などでは補綴科(ほてつか)・矯正歯科・口腔外科などが連携して顎関節症の専門外来を開設しているところが多いですが、一般の歯科医院で探す場合は、診療科に歯科と併せて「矯正歯科」や「口腔外科」をあげているところがよいでしょう。

市販の痛み止めで対応する際のポイント

口腔外科のある歯科医院を見つけても、予約なしですぐに診てもらえるケースはなかなかないかもしれませんので、「今すぐどうにかしたい!」「痛くて仕事にならない!」という場合には、ひとまず市販の痛みどめで対応することになるでしょう。
その際にはロキソプロフェン(ロキソニンS)やイブプロフェン(イブA錠、リングルアイビー等)などのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が第一選択となります。
NSAIDsは消化器系に副作用が出やすいため、顎の痛みで食欲がないかもしれませんが、ゼリーや牛乳などでよいので、何か胃に入れてから飲むようにしてくださいね。

なお、胃に優しく副作用が少ない鎮痛剤としてはアセトアミノフェン(タイレノールAなど)が代表的ですが、アセトアミノフェンには明らかな抗炎症作用はないため、顎関節炎の痛みには第一選択とはなりません。
しかし、中枢神経系に作用しある程度の鎮痛効果は得られるはずなので、常備薬として既に持っている場合は、ひとまずアセトアミノフェンを使用してもよいでしょう。

また、15歳未満のお子さんが耳の痛みや頭の片側の痛みをうったえて顎関節症が疑われる場合には、NSAIDsではなくアセトアミノフェンを使用してください。

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